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2004.06.12

名人戦第6局

11分の考慮で、羽生名人が3三のと金を銀で払ったとき、BS大盤解説の千葉女流三段は思わず「わぉ!」と叫んでいた。
巷の若い女性なら「ありえなぁい」とでも言うところだろうか(涼子ちゃんも若いけど)
実際、これで羽生の防衛は「あり得な」くなってしまったのだが・・・

和服姿の加藤一二三九段も見慣れなかったが、ここまで追い詰められた羽生の様子も見たことがなかった。
もちろん羽生だって負けるし、タイトルを奪われたことは何度もある。
しかし、ほんの半年前まで4つ持っていたタイトルが、今やわずか1つである。
しかも、その半年間に3つを奪っていったのが、目の前にいる森内新名人なのだ。
竜王、王将、名人の七番勝負3連戦の戦績は、森内の12勝4敗に終わった。
羽生がこれほど完膚なきまでに叩き伏せられたのは、彼の人生の中でも記憶がないのではないか。

今期の名人戦でカギを握っていたのは第2局だったかも知れない。
森内が、いわゆる「研究勝ち」をしてしまった一局である。
単純に、研究手順、そして温めていた一手が炸裂して、そのまま圧倒してしまったというものだが、プロの評価としては、「これは単に羽生の研究負けなので、精神的なショックは少ないはず」というものだったように思う。
しかし羽生の本心はどんなものだったのだろうか。
タイトル戦の大事な場面で、相手の研究にまんまとはまって、しかもいいところなく敗れて、それで気持ちのよかろうはずがない・・・のではないか。ま、プロの、それも現代のトップ棋士の心理までは窺い知ることはできないが。

第4局のねじり合いでも森内が勝ちを収めている。
今回の6局の中で、唯一「勝負らしい勝負」になったのがこの第4局だが、研究を離れた力勝負になり、羽生にもさしたるミスがなかったにも関わらず、森内が押し切ったのは印象的だった。

第6局は2日目に入ってから、たちまち形勢が傾いてしまったようである。
森内は普通に指しているのに、羽生が自滅していくような、そんな展開になってしまった。
こういう負け方がこの「十六番勝負」では多かったような気がする。

森内は名人戦の疲れを癒す間もなく、17日から佐藤との棋聖戦が始まる。
ここで一気にタイトルを4つに増やすのか、佐藤が実力を誇示するのか、実に楽しみな番勝負である。
BSでやってほしいよなぁ・・・。でも無理か(=_=;)

一方の羽生も、名人戦の最中に行われた朝日オープンで深浦に勝ち、選手権保持者になった。
さらに王位戦の挑戦者決定戦に駒を進めている。
山崎との挑戦者決定戦は6月25日。それまでに復調を果たしているか?

ここ数年、それまでは比較的安泰と言われていた名人も、コロコロと変転するようになってしまった。
無敵を誇ってきた羽生ですら、名人だけはなかなか守り切れていない。
木村、大山、中原が君臨していた頃、第2期から第40期までは、名人の防衛は30回、挑戦者の奪取は7回(第4期、5期は中止)である。
一方、第41期から第62期までは名人の防衛は10回、挑戦者の奪取は実に12回に及ぶ。
この状況に安定をもたらすのは、果たして森内なのか、それとも羽生なのか、あるいは佐藤なのか、もしかして渡辺や山崎なのか、それとも・・・


谷川先生、頼みますよ(^_^;)

2004 06 12 10:41 p. m. [将棋] | 固定リンク

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