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2005.04.24

バンキエーリ・シンガーズのライヴ

と言っても、2年前のもので、しかもBS2で放映されていたのは10日ほど前なのだが、録画しておいたものをようやく観る(聴く)ことができた。

今さら彼らのことを「さすがに上手い」などと書いても仕方がないのだが、やっぱり素晴らしいことには変わりはない。
カンテムスやプロムジカのメンバーが歌っているのを観たときも感じたのだが、一人一人が音を発する筒のようになって、ホールの上から音のシャワーを降らせる感じ。口はわずかに開く程度で、見事な頭声である。声楽とはかくあるものだ、という感じ。

最初に演奏されたコチャールの「そしてなんじに告げる ダミオンよ」は、いかにもコチャールらしい複雑な和声が特徴の作品。何となく「奇跡の鹿」や「百合の歌」、「山に登る」と部分的にオーバーラップしてくる。
オルバーンの作品はシェイクスピアの「十二夜」につけた作品より、ベレシュの詩につけた「道化師のセレナード」の方が面白かった。言葉の生かし方の問題かも知れない。
ペトロヴィチの「悪魔の踊り」は技巧的で面白い作品。バンキエーリの面々ならではの技が見事に映える。

続いては日本の作品がいくつか。「花嫁人形」「こきりこ」あたりは彼らも何度となく取り上げているものだが、日本の聴衆を前にして歌う気持ちというのはどんなものだろう。聴く方も微妙に座りの悪い感じがしたが、だからと言ってヘタクソな日本語だったというつもりはない。

谷川俊太郎の詩に寺島尚彦が曲をつけた「日本語のおけいこ」、これは楽しい。リーダーのサボー・ショマの父君で指揮者として有名なサボー・デーネシュ先生による編曲かと思うが、もしかしたらショマ君自身の編曲かも知れない。しかしお父さんにソックリですな、ショマ君は(^_^)

続いては喜納昌吉の名曲「花」を信長貴富が編曲したもの。彼らの編成にうまく合っているような気もしたが、これは信長氏に委嘱したのだろうか。このアレンジでなら歌ってみたいような気がする。

あとは外国の(というのは、日本のでもなく、ハンガリーのでもなく、という意味で)作品。
「大きな古時計」、「ダニーボーイ」、「サマータイム」とスタンダードな作品が並び、次の「チリ・コン・カルネ」(エーデンロート作曲)が実に楽しい作品。こういう作品をさらっとアカペラで歌えたら本当に気持ちよかろう(^_^)

「デイトン・オハイオ1903」を挟んで、最後はキングスシンガーズ版のビートルズ作品から「イエスタデイ」と「ハニーパイ」
「イエスタデイ」はビーコレ好きのアカペラ者なら結構耳コピしたりしてやってみた経験があるのではないかと思うが、さすがにバンキエーリ・シンガーズがやると独特の味わいがある。そもそも女性(女声ではなくて生物学的に女性)が2人入っているので、そこから紡ぎ出されてくるハーモニーも、キングスとはかなり異なったものになっている。
そして「ハニーパイ」。ビーコレの中でも屈指の難曲だと思うが、こういうものを軽やかに歌ってしまえるのはさすがにプロだ。ただ、もちろんキングスシンガーズの持つ強烈かつ豊かな表現力にはまだ及ばない部分も見られたが、それはそれでまた彼らの持ち味ということだろう。

何のコメントも、妙なインタビューもなく、この曲で全てのプログラムが終了し、番組も終わり。あっさりしたものだ。

バンキエーリ・シンガーズの上手さと、持ち味と、ほんの少しだがこれからの課題のようなものが見えたステージだったが、その後2年でどう変わったのか、聴く機会があれば聴いてみたい。

そう言えば、コチャールが松下中央の委嘱で書いた「ミサ・テルティア」、バンキエーリ・シンガーズがCD化するかも、という話を松元先生に聞いたような気がする。ハルモニアから出ている楽譜と、松下中央の初演したものとは、一部内容が異なっている。初演後にかなり加筆・修正がされた模様で、それらが反映された演奏になっていれば、この秋にこの曲を演奏する我々にとっても、この上ない参考音源になるだろう。

2005 04 24 11:41 PM [Chorus] | 固定リンク

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