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2005.09.26

十七番勝負の裏で

羽生-森内、そして羽生-佐藤。
棋界の主役が頂上決戦に鎬を削っている間隙を縫って、竜王戦の大舞台に、実に興味深い男が立つことになった。
木村一基、32歳。通算勝率7割2分1厘(9月22日現在)
四段昇段してから今年が9年目だが、これまでに勝率一位を2度、最多勝利、最多対局も1度輝いている。
彼にしてみれば(そして彼に期待する向きからも)、遅すぎるタイトル戦への登場と言えよう。

羽生に1手トン死を食らわしてタイトル挑戦にあと1勝と迫った4年前の同じ竜王戦挑戦者決定三番勝負、結局その後連敗を喫して長蛇を逸した記憶が蘇るような、どうしようもなくよれよれの展開ながら、粘る三浦をねじふせて、ついに初のタイトル戦登場と相成った。

プロ棋士なのだから、当然誰でも人並み外れて個性的なのであるが、そんな中でも彼の個性は際立っている。テレビ時代に「映える棋士」の一人でもあるだろう。
その彼が、ウェットティシュで目元を何度となく拭う姿は印象的であった。

待ち受けるのは「4人目の中学生棋士」であり、ポスト羽生世代の最先端をひた走る渡辺明、21歳。
21歳の頃、木村はまだ奨励会でもがいていたことを思えば、渡辺は早熟の天才であり、エリート中のエリートと言えよう。
だが、通算成績だけ見れば、渡辺7割4厘に対して、木村7割2分1厘と木村が上回る。
もっとも、通算で7割を超えていること自体が、すでにして驚異的な成績なのではあるが(1000局以上指して7割3分という羽生は別格としても、森内名人ですら6割6分8厘である。200局以上指して7割を超えているのは、他には深浦八段ぐらいのものなのである)
つまり、この二人の番勝負というのは、類稀なる高勝率男同士の戦いでもあるのだ。

そして渡辺竜王にとっては、初のタイトル防衛戦である。
その前に三番勝負が戦われる新人王戦を含め、この秋から冬にかけて、渡辺にはハードなスケジュールが続いていくが、棋界の第一人者を目指すには、このハードスケジュールも乗り越えねばならない。

注目の七番勝負第一局は10月25、26の両日、福島県会津若松市の「今昔亭」で戦われる。

2005 09 26 11:46 PM [将棋] | 固定リンク

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将棋7大タイトルの1つ 「竜王」を前年度、森内俊之名人から奪取。 今期は木村一基七段を挑戦者に向かえ 10月25日・26日からタイトル防衛をかけて7番勝負を行う。 実力も然ることながら、 歯に衣を着せぬ発言・行動が気に入っている。 永世10級の棋力の自分としては、 芸術品としての棋譜には全く興味は無い。 というよりも、 芸術品としての理解が全くできないという所が多分にある。 元々、勝った負けたの勝負の�... 続きを読む

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