« ペースを狂わされる | トップページ | 閉店間際の・・・2 »

2005.12.12

瀬川四段のデビュー戦

プロとしての初戦が、かつての同僚である清水上アマ竜王だった、というのは、妙に因縁めいて・・・というか、ちょっと「作りすぎ」の感も拭えないが、何にせよ瀬川四段は初陣を飾ることができた。
デビュー戦がこれだけ注目されたプロ棋士は、前代未聞なのではないだろうか。

ご本人の心の持ちようとは別に、連盟とメディアが束になって「遅れてきたプロ棋士」をプロモートしようという意図が、ありありとうかがえる昨今である。
米長永世棋聖が連盟会長に就任してから、次々とメディアにネタが提供され続けているあたり、連盟の(というか、米長センセイの)危機感が如実に表れているように感じられる。

ところで、今回のプロ編入試験については、将棋連盟がアンケートを実施していて、その結果が連盟公式サイトにアップされている(こちら(要Adobe Reader)
奨励会を一定年齢までに抜け出ないとプロにはなれない、という現状の制度に対しては、何らかの形で改革が必要ではないか、という意見が多いようであるが、実際のところ、どこに手をつけるべきなのか、については意見が分かれている。

しかし、重要なことは、10日間で1205通の回答が集まった、という事実。
特に派手な広報をした訳ではないにも関わらず、これだけの回答を集めることができたのは、確実に連盟のメディア戦略が奏功し始めていることの表れなのかも知れない。
無論、1205通ではまだまだ少ない、という見方もあるだろうし、私も統計的なことを考えるなら、心もとない数字だなぁとは思う。とは言え、これまでの地味な将棋界を思えば、これは大健闘と言えるのだろう。

問題は、こういう話題だけがメディアを賑わせて、実際に戦われる将棋の内容そのものがあまり取り沙汰されていない点なのかも知れない。「瀬川」「編入試験」「コンピュータ将棋」などのキーワードがメディアに躍ることはあっても、そこに「ゴキゲン中飛車」や「横歩取り8五飛戦法」、「後手一手損角換わり」などの戦法について言及されたものは皆無と言ってよいだろう。また、現実に棋界をリードする強豪プロの姿も殆ど見えてこない。出てくるとすれば、せいぜい羽生四冠ぐらいで、現在誰が名人なのか、なんてことが話題になることはまずないのである。そしてタイトル戦のような大きな勝負が戦われていても、一般メディアの関心は極めて低い。

話題作り、メディアへの仕掛けは十分効果的ながら、次は将棋そのものの魅力を、いかに伝えていくのか、そのあたりが来年以降に持ち越された宿題ということになるのではないだろうか。

2005 12 12 11:44 PM [将棋] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/6325/7642256

この記事へのトラックバック一覧です: 瀬川四段のデビュー戦:

コメント

コメントを書く