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2007.05.10

わが道

いつもの大阪駅構内「るぅ~」にたどり着き、いつものようにハーフ中ジョッキをあおりながら納豆オムレツをつついていると、カウンターにいたおねぃさんが叫ぶ。

「お客さん、それ、お勘定書きやから。ほかしたらあきませんよ。大事なもんやねんから、ね」

フロアのおねぃさんのうち一人が「あらあらー」という感じでやってくる。
どうやらカウンターの2人左隣に、かなりできあがっているオッサンがいるようだ。

少ししてそのオッサンの口から「おねーさん、カレーもらえるかな」の声。

ここは基本的にカレーショップだから、それ自体は別に珍しいことではない。飲んでる人が、仕上げにカレーライスを求めることはよくあるし、ワタシもごくまれにこれをやる。

しかし、このオッサンは少し違った。
カウンターのおねぃさん(多分某あ氏と同じ名字=出雲の名家=なのだが、確かめるタイミングがなくてなかなか確認できない)がオッサンに向かって曰く、

「おとーさん、カレー、今食べたやないの。まだ食べるん?」

2杯目なのか(^_^;)

「ああ? カレーくれ、カレー。今食べた? もひとつくれ」

このやりとりで店内はこのオッサンを中心に動き始める。
イヤホンでタイガースの実況を聞いていたワタシの左隣のおっちゃん(つまり件のオッサンの右隣)も、否応なく自分の左側に注意がいくし、フロア担当の二人のおねぃさんも同様である。

オッサンは続ける。
「カレーな。そんでおあいそ」

フロアのおねぃさんはすかさず計算し、オッサンも素直に千円札を3枚渡し、お釣を受け取っている。
そしてカレー。
モクモク・・・というよりは、ワシワシ・・と食べるオッサン。やるなぁ。

食べ終わるとオッサンは出入り口に向かう。フロアのおねぃさんにトイレの場所を尋ねている。ちゃんとたどり着くのだろうか。そして、戻ってこれるのだろうか。

しばらく店は平穏な時間帯に入り、マイミク左衛門さんのお知り合いの著書を読み進める。オッサンがいる間は気が散ってなかなか先に進められない(^_^;)

ハーフ中ジョッキと納豆オムレツが終わり、残波25度水割りと大根チャンジャに移った頃、オッサンが舞い戻ってくる。無事トイレで用を足すことができたようだ。
オッサンが座っていた席の前には勘定済みということでレシートが置いてある。オッサンはそれを見て「いくらやぁ、おあいそ」(^_^;)

「あのね、もうお勘定してもろたから。お金はもういただいたからええのよ」
「ああ? ほんまか。もう払ろたんか。そうか」

安心したのか、席に腰を落ち着けたオッサンは眠り始める(^_^;)
寝るために戻ってきたんかぁ・・・(>_<)

少し間をおいて、カウンターのおねぃさんが「あっ!」と叫ぶや否や、オッサンが椅子から転げ落ちるところが見えた。
テーブル席にいたおにぃさんがとっさに手を出さなければ、頭を床に強打しているところである(@_@;)

「大丈夫ですかぁ・・・」
「ああ? ああ、だいじょうぶや」

ゆっくりと起き上がり、再び椅子に座るオッサン。
ここから、オッサンがいつ席を立つのか、また眠り始めるのか、そのあたりが気になって、アラビアンナイトどころではなくなるワタシ(^_^;)
店内の客の大半がこのオッサンの挙動に注目を払っている。

オッサンはそれを知ってか知らずか、時折ウトウト・・・とするかと思うと、背筋を伸ばして「起きてるで」と言わんばかりに胸を反らしたり・・・

それからどれぐらいの時間が過ぎたのかわからないが、ようやくオッサンの口から
「おねーさん、すまんな、帰るわ」

店内の空気が途端に緩むのを感じる。

「おあいそして」

こらこら、オッサン、それはさっき済ましとる(^_^;)

ということで、オッサンは無事店を出たのであった。
ホッとして顔を見合わせるおねぃさんたち。
ワタシは隣のお客さんと「たまりまへんな」というような感じで苦笑状態。

それから快調に読書を進めていると、カウンターのおねぃさんがワタシの前に来て、「い゛い゛い゛」と奇声を発しながら顔をしかめる。

「は?」と店内を見回すと、先ほど出て行ったはずのオッサンが再び舞い戻ってきて、先ほど座っていた席に再び腰を下ろしているではないか(^_^;)

「おねーさん、あのな、カレーくれる?」

さ、3杯目ぇ~?(+_+;)

「おとーさん、さっき2杯食べはったけど、入るん? 大丈夫なん?」

「ああ? ああ、それと生中ひとつな」

感嘆。

ホンマにこのオッサンは3杯目のカレーを食べられるのだろうか・・・と注視してみるが、時折ぐったりと意識を失うものの、ガシュガシュ・・・とスプーンを口に運び続け、ついに3杯目を完食。
食べ終えて、また席で眠り始めたりして気が気でない。
既にワタシの左隣の客は帰っているので、オッサンの様子はよくわかる。
やがてオッサンは携帯を取り出すと、(多分)家に電話をかけ始めた。

「あ、あのな、尼崎のサウナに泊まるから。すまんな」

そう言ってしばらくして、オッサンは席を立つ。
尼崎のサウナ? 尼湯かな。極楽湯は駅から遠いしな。しかし入れてくれるんやろか・・・

やがてオッサンはヨロヨロと店を出る。ここでも「おあいそは?」の連発。もちろんカレーを頼んだ時点で既に精算済みなのであるが(^_^;)

さすがに生中は飲み切れなかったらしく、半分ほど残っていた。
しかしカウンターのおねぃさんは、「また戻ってくるかも知れんしな」と、しばらくそのジョッキをそのままにしておくことに決めたようである。
キッチンにいる店長からは、「次戻ってきたら、もう閉店や、て言うとき」の声も出る。まぁ確かにもうじき閉店ではあるが。

オッサンの様子を見届けるため、普段よりも1杯余計に残波を飲んだワタシも、ここらが潮時、と腰を上げる。
結局ラストオーダーの時間までいてしまった(^_^;)

2007 05 10 11:48 PM [日記・コラム・つぶやき, , , 飲食] | 固定リンク

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