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2010.03.23

ノクターン

仕事の行き帰りだけに連続して聴いているので、なかなか終わらないサンソン・フランソワのショパンも、いよいよノクターン。
これが終わればプレリュードでおしまいである。最後に前奏曲(=_=;)

日本人はショパン好きと言われるが、ショパンで真っ先に思い浮かべる作品として、作品9の2、変ホ長調のノクターンを挙げる人は結構いるだろうと思う。
あまりに人口に膾炙しすぎて、なんというか陳腐化してしまった印象のある作品だが、これ一曲でノクターン全部に背を向けるのは実に惜しい。

ワタシもショパンの代表作、あるいは傑作と考えているのはソナタの3番とか幻想ポロネーズとかバラードの4番とかであるけれど、その一方で、ショパン以外の誰のものでもない、ショパンの「つぶやき」のような作品としては、マズルカやノクターンがそれにあたるのではないかな、と思っている。

ショパンのマズルカは、それこそ若いころから死の直前まで、濃淡はあれど、満遍なく書かれたもので、「彼にとっての日記のようなものだ」と表現している人もいる。
作品59の3つのマズルカや、死の床で書いたと言われる作品68の4の幽玄な世界などは、マズルカの領域を大幅に拡張したものと言ってよいだろうけど。

それに対してノクターンは、舞曲という形式からも自由になって、彼の心象風景を描いた絵画のようでもある。
ただ、「ノクターン」の名から想像されるようなゆるやかで、ひそやかなものだけでなく、作品48のc-mollのノクターンのように、バラードか幻想曲と言いたくなるような激しく、また雄大な作品もあるのが興味深い。

普段ダン・タイ・ソンのよく整えられた演奏でこの作品と接しているが、フランソワの演奏も実に味わい深い。
ここでもやはり作品番号でいうと50番台、60番台というところの作品の、自由気まま(に見えて、実に計算され尽くした)転調の妙が、背筋に心地よい電気を流してくれる感じである。
シューベルトもだが、ショパンの転調には、軽く電気にしびれるような、独特の味わいがある。

2010 03 23 11:58 PM [music with iPod, 日記・コラム・つぶやき, 音楽] | 固定リンク

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