2008.03.04

空気

千日手指し直し局の63手目(ぐらいと思われる)、佐藤-木村戦の決着がつき、そこからの久保の指し手には、次第に力が失われていく。

指し直し局開始より前に、羽生が勝ちを収めたため、三浦のプレーオフ進出の目はなくなっていたが、それでも冷静に指し継いでいって、リーグ陥落の崖っぷちにいる久保を追い詰めていた。

彼らに、他の対局の結果が伝えられることはない。
ただ、同じ場にいて(もちろん部屋が違っているから、覗き見ることはできない)、何かそういう空気は読めてしまうのだろう。
久保が王将戦七番勝負を前に、しきりに「鈍感力」について言及していたのが、今となっては少し悲哀を感じる。なぜなら、求めてやまないものは、彼に最も似つかわしくなくて、手に入りづらいものに思えるから・・・

A級順位戦最終局結果(左側が先手)
谷川浩司九段(3勝6敗)●-○羽生善治二冠(8勝1敗)
行方尚史八段(1勝8敗)●-○郷田真隆九段(6勝3敗)
藤井 猛九段(4勝5敗)●-○丸山忠久九段(6勝3敗)
佐藤康光二冠(3勝6敗)○-●木村一基八段(5勝4敗)
久保利明八段(2勝7敗)●-○三浦弘行八段(7勝2敗)

最終成績
8勝1敗 羽生善治二冠…名人挑戦
7勝2敗 三浦弘行八段…来期2位
6勝3敗 郷田真隆九段…来期3位
     丸山忠久九段…来期4位
5勝4敗 木村一基八段…来期5位
4勝5敗 藤井 猛九段…来期6位
3勝6敗 谷川浩司九段…来期7位
     佐藤康光二冠…来期8位
2勝7敗 久保利明八段…降級、来期B級1組1位
1勝8敗 行方尚史八段…降級、来期B級1組2位

森内名人への挑戦権は羽生二冠が獲得。
第66期名人戦七番勝負の日程は以下の通り。

第1局 4/8-9  東京都文京区「椿山荘」
第2局 4/22-23 大阪府堺市「堺市茶室『伸庵』」
第3局 5/8-9  福岡市中央区「JALシーホークホテル福岡」
第4局 5/20-21 名古屋市西区「ウェスティンナゴヤキャッスル」
第5局 6/5-6  山梨県甲府市「常磐ホテル」
第6局 6/16-17 山形県天童市「天童ホテル」
第7局 6/26-27 神奈川県足柄下郡「龍宮殿」

毎日・朝日の共催となって初めての名人戦七番勝負である。
一足早く永世名人の権利を得た森内が、長年のライバルである羽生を迎え撃つ、おそらく現在の将棋界では最高の顔合わせである。
契約問題も「共催」という形でひとまず収まり、ここ数年のようなわさわさとした感じも多少は感じずに済むだろう。熱戦を期待したい(^_^)

で、恒例ではあるが、「谷川先生! 来期は頼みますよ!(^_^;)」

2008 03 04 11:41 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007.09.03

改めて「せんぱい」を称える

1000pai
マイミクのじゅ。に先に書かれてしまったので、結局このネタはボツになってしまったのだが、将棋の加藤一二三九段が通算1000敗を喫したニュースには、いろいろと考えるところがある。

ちょうど今週号の「週刊将棋」に特集が組まれていたので、それを見てみると、確かになまじっかなことでは1000敗を喫することはできない。

まずその対局数。
1000敗時点で2261局である。これがもうすでにして超一流の証である。
故・大山康晴十五世名人が2216局、中原誠永世十段・名誉王座が2071局。つまりピンさん、対局数でも堂々の一位である。
通算勝利数も大山十五世の1433勝、中原永世十段の1299勝に次ぐ第三位。
1954年に14歳でプロ棋士四段となって53年。これだけの長きにわたって指し続けてきたことも驚嘆の事実。

プロ棋士が一年間にどれだけ負けることができるのか、を試算したものが付されていたが、これもなかなか興味深い。予選で負けてしまうと番勝負に出れないので、負け数を稼ぐことができない。たくさん負けるためには、たくさん勝たなければならない。最大で年間48敗が「理論的上限」ということらしい。
これは強い人が「強いけど負けた」場合で、弱い人がただ負けるだけだと、なんと年間10敗しか負けられないらしい。そしてこういう「弱いプロ」は長く続けることが許されないので、とてもではないが1000敗に到達することはできない。

これまで年間最多敗戦数は1984年のピンさんで、33敗である。さしものピンさんも年間30敗以上というのは、実はこの年だけだそうである。
そしてここ20年、30敗以上した棋士はいないのだとか・・・

やはりピンさんはすごい。
すごすぎる。

2007 09 03 11:58 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007.08.25

動かぬのだ

・・・というタイトルで書いていたら、本当にIEが動かなくなったので、書き直し。
こういう時は、気持ちを落ち着けるために東大将棋を「よちよちレベル」にして、コンピュータをこてんぱんにやっつけてから作業を再開すること、と手順書に記載されている。

書き直しなので簡潔に。
夜中の2時半にいきなり目が覚める。何に対して寝過ごしたのかは不明だが、そういう気分で目を覚ました。
6時半に再び目が覚める。折角なのでマラソン中継を見る。よく知った街がこんなに狭く感じられたのは驚きだった。
午後1時にみたび目が覚める。ぼーっとしたまま昼食を摂る。
午後6時によたび目が覚める。

要するに、あとの時間は寝ていた訳だが、どうも体が動かん、という日はあるもので、特に用事もないので、のんびりゴロゴロする。こういうのを専門的には「食っちゃ寝」と呼ぶ。みんな、勉強になったね。

夕方に起きてからは、さすがにこれではいかん・・・ということで、「ピクティスト検定(ピッ検)」に挑戦する。

ピクティスト検定

これは「日本ピクトさん学会」がやっている権威あるもので、とにかく大変すごくて立派でエライ。
ワタシは3級との検定結果を得た。少し誇らしい気分だ。

日本ピクトさん学会

と、充実した気分でいたら、スタジアム・オブ・ライトでは我がレッズがモモとヴォロニンのゴールで快勝。放送開始が少し遅れたので、選手入場時に相変わらずプロコフィエフが流れているのかは確認できず。

2007 08 25 11:20 PM [Football, おすすめサイト, 将棋, 意味不明・たわごと, 日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007.04.09

いよいよ開幕

18世永世名人の称号がかかる「超合金」森内名人に、「一刀流」郷田九段が挑む第65期将棋名人戦七番勝負第一局が、明日山口県長門市の白木屋グランドホテルで開幕する。

同世代で小学生の頃から切磋琢磨してきた両者だが、プロ入り後は意外に対局が少なく、ここまでまだ26局だけとか。
四段時代にタイトルを獲得するなど、スタートダッシュで目立った郷田に対し、ゆっくり着実に歩んで頂点を極めた森内。郷田がこのところ失速して、今回の名人戦が久しぶりのタイトル戦なのに対して、彼がタイトル戦に出なくなってからタイトルを奪取できるようになったのが森内。思えば対照的な二人である。

「週刊将棋」最新号に両者のインタビューが見開きで掲載されているが、共に必要以上の気負いや緊張感を感じさせない、泰然としたコメントが、実に彼ららしい。相手のことを意識しない訳にはいかないだろうが、それ以上に自分らしい将棋を指すことに集中したい、という気持ちが強いようだ。

テレビの大盤解説などでも、この二人がしゃべるとあまりに高度すぎてワケがわからない、ということがよくある(^_^;)
羽生三冠でも佐藤二冠でも、あるいは渡辺竜王でも、もちろん話す内容は極めて高度なのだが、ある程度は聞く側のことを考慮してか、あるいは必要以上に手の内をさらさないように、という深慮遠謀なのか、そこそこのところで「緩めて」いるような気がするときがある。
だが、森内と郷田に関しては(あるいは三浦などもそうだが)そこで緩めるということがない。特に郷田の解説は時折神憑っているかのように崇高な「香り」がすることがある(^_^;)
まぁ聞いているワタシに理解力がないこともそれを助長しているのだが・・・

そういう二人の対局なので、これはもう心して見守らねばならない。
あ・・・レコーダーのHDD容量が・・・(^_^;)
しまった、最近全然DVDに焼いてなかったので、かなり逼迫しとる(+_+;)

2007 04 09 10:57 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007.01.25

名人に勝ったことがあります

井川投手が渡米するにあたって、日本将棋連盟は将棋好きの彼に「将棋親善大使」を委嘱し、初段免状を授与することにしたそうである。
常に何かしら話題づくりを策する米長会長らしいスタンドプレーであるが、それを受けて報道する側もいい加減なものが多い。

「ハンデをつけてもらったとは言え、名人に勝ったこともある実力者」というNHKのニュースには苦笑せざるを得ない。ここで憤っていては大人ではない(^_^;)

あの・・・地方巡業とか福祉大相撲とかで、大相撲の横綱が豆力士たちとじゃれながら、その中の一番小さな子供にちょこんとつつかれただけで大げさに倒れるのも、似たようなものだと思うんですけどね(^_^;)

以前、連盟が古田選手(現兼任監督)に三段の免状を贈ったときも、「腕前はプロ級」なんてワケのわからんことを書いたスポーツ紙があったけれど、仮にもプロの公式棋戦の一つであるNHK杯を主催している局なんだから、プロの値打ちのわからんようなコメントはいかがなものかいのぅ。

ああしかし、昨春勃発した名人戦主催紙移管騒動以来、絶えて将棋の話題を避けてきたのだが、久しぶりに書くネタがこれか・・・(+_+;)

2007 01 25 10:52 PM [(-_-;), 将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.04.15

将棋連盟の見識を疑う

もし、今回のこの名人戦の主催紙移管の件が実現してしまうとしたら、将棋連盟という組織に対して、もはや何の期待もすることはできなくなるだろう。
それぐらい、今回の一件は、彼らが見識も何もない、損得勘定だけで動く人たちである、ということの証左である。

名人戦についての交渉経緯(将棋連盟ウェブサイトより)

将棋:名人戦 連盟理事会、朝日新聞社へ移管提案 棋士会で異論(毎日新聞ウェブサイトより)

将棋:「毎日の名人戦」守ります=東京本社編集局長・観堂義憲(毎日新聞ウェブサイトより)

観堂さんを敵に回したら怖いと思うがな>将棋連盟

というのはともかくとして、その「外部の有識者による経営諮問委員会」のメンバーは、「文化」とか「伝統」とかいうことについて、どのような見識をお持ちなのか、是非伺ってみたいものである。
先だっての、「在阪のプロオーケストラは一つにまとめたら」の関経連会長の発言と、実に不気味なほど、底でつながっているような発想が、そこにあるのではないかな。

ということで、早速将棋連盟には抗議のメールを送っておきました。
将棋連盟サイトトップページの「お問い合せ」から送れます。

とにかく、こんなことがまかり通ってはいけない。

2006 04 15 10:28 PM [(-_-;), 将棋] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2006.04.11

仙境の戦い

いよいよ名人戦七番勝負が始まる。
通算3期の森内名人に挑戦するのは、通算5期、十七世永世名人の資格を持つ谷川九段。
第一局は雲仙。

対局に先立って対局室の検分があり、両対局者と立会人の有吉九段による盤の裏と盤の蓋の裏への揮毫が行われた。
そこで有吉九段が盤の裏に墨痕鮮やかに認められたのが、「仙境」
「最高の境地での戦い」への期待と共に、対局地の雲仙にもかけた、なかなか気配りの利いた言葉であると感じる。

それにしても、盤の裏というのはなかなか書きづらいだろうと思うのだが、なんと、こういう時には盤の脚を外して揮毫するようである。なるほどねぇ。ただ、4本全て外すのではなく、1本はそのままにして書いておられるようである。
盤の裏の中央の血だまりを挟んで、上に「仙境」、下に3人の署名が並ぶ。

しかし第一局のメンバー(?)はなかなか興味深い。
副立会がA級に復帰した深浦八段、BS解説がB2に昇級した山﨑六段、BS聞き手は先だって女流名人位を奪取したばかりの矢内女流名人。皆、今勢いのある人ばかり、という印象である。
そんな面々が間近で見守る第一局、面白い戦いになることを期待しよう・・・というか、きっとなるだろう(^_^)

ワタシより一足早く誕生日を迎えた谷川センセイ、頑張ってちょ!(^o^)

2006 04 11 01:04 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2006.03.23

歴史的大逆転劇は

起こらず・・・
第55期王将戦七番勝負第七局は、3連勝後3連敗を喫して逆カド番に追い込まれていた羽生三冠が勝って、防衛に成功。
将棋界ではかつて例のなかった3連敗後の4連勝を目指した挑戦者の佐藤棋聖は長蛇を逸した。

これで羽生王将は通算9期目の王将位。あと1期で永世王将の称号を得る。今まで永世王将を名乗っていたのは、故・大山康晴十五世名人だけだそうである。
また、タイトル通算獲得数も63となり、中原永世十段の64まであと一つ。ちなみに最多獲得数はやはり大山十五世で80だそうである。大山の全盛時にはタイトル戦の数も少なかった訳だから、これはもう前代未聞の数字・・・なのだが、何となくその数字の背中が見え始めてきた感じもしなくもない。

これで年度内のタイトル戦は一段落。
年度明けからは名人戦七番勝負である。
ここから年度末までは、年間対局数、勝数、勝率、連勝などの記録がかかった勝負となる。

2006 03 23 12:09 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.03.17

阿部八段、ついにA級入り!

これも関西勢には大きなニュースだ。
B級1組最終局、抜け番の阿部八段は、中川七段が敗れれば昇級、勝たれるとアウト、という状況だったが、既にA級復帰を決めている深浦八段が中川七段を下して、阿部八段の昇級が決まった。

プロ四段としてデビューした当時、現在の羽生三冠のライバル一番手と目されていたのが、実は阿部八段であった、というのは、当時を知るファンなら周知の事実。故・芹沢九段が、「彼は贈九段にはならないだろう(つまり実力で九段になるだろう)」と予言されていたりしたことや、「将棋世界」だったか「将棋マガジン」だったか忘れたが、若手有望株同士ということで、羽生vs阿部の誌上対局が企画されたりしたのも思い出される(結果は確か羽生勝ち)。今ならさしずめ、渡辺vs山﨑、みたいな感じかな。

その後は関西の中堅として着実な歩みを続け、1993年には全日本プロトーナメント(現在の朝日オープン選手権の前身)で優勝、竜王戦七番勝負に挑戦者として名乗りをあげたのは2002年のこと。当時の羽生竜王を相手に3勝あげて、カド番まで追い込みながら、タイトル奪取には至らなかったが、阿部強しを印象づけたシリーズでもあった。

一方、B級2組への降級は、青野九段(最終局を前に、既に確定)と先崎八段(最終局で、負けた方が降級という北浜七段との激闘に敗れる)となった。う~ん、先ちゃん、残念!

2006 03 17 11:55 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

やったぞ!でかした!(^o^)

谷川先生、名人挑戦権獲得!今日はこのニュースに尽きますねッ!(^o^)
史上初の3度目の名人返り咲き、期待してますよ~(^_^)

対局が行われた昨日は、仕事が22時頃までかかったので(というか、殆ど毎日それぐらいですが)、帰宅してからもネットのチェックをする体力の余裕なし。
今朝、朝刊で結果を知った次第だけれど、いやぁ、嬉しかったですねぇ(^_^)
でも、本当に嬉しいのは、名人復位を果たしてくれたときだろうなぁ・・・
同い年の関西の星には、いつまでも輝いていてほしい。

2006 03 17 11:43 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.03.14

3枠を巡って

C級2組順位戦最終局。
現時点までで、既に安用寺五段と阿久津五段の昇級が決定したとの由。
既に橋本五段は勝ってキャンセル待ち。
残り1枠の帰趨は、村山四段の勝敗にかかっている。

堅く矢倉に囲った後手の村山四段に対して、川上六段は玉を広く、ゆったりと構える。
村山の4六角あたりから中盤の厳しい戦いが本格化、しかし共に残り時間はそれほど残っていない。特に昇級のかかった村山は、残り時間の切迫とも戦わねばならない状況・・・

どちらも皮を切らして肉を斬る、肉を斬らして骨を断つような攻防が続いて・・・
135手で先手・川上六段が勝利を収め、橋本五段が逆転昇級を果たす!

2006 03 14 11:01 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.03.12

こちらは決着

第七局までもつれることになった王将戦であるが、並行して行われている棋王戦五番勝負は、第四局で挑戦者の森内名人が勝利を収め、3勝1敗で羽生四冠から棋王のタイトルを奪取した。

将棋:森内、初の棋王獲得 羽生から3勝1敗で奪取-将棋:MSN毎日インタラクティブ

お昼の「囲碁将棋ジャーナル」では、後手羽生四冠が「後手一手損角換わり」を採用したこと、ゲスト解説の郷田九段は「一手損角換わり」は好きではなくて、まだ一度も採用したことがないこと(^_^;)などが伝えられていたが、その後の展開がどんな感じだったのかは、北國新聞のサイトで見ることができる。Javaがちょいと重くて、快適に再現できないのは、うちの回線がトロいせい? それと、オートプレイの機能をつけてくれると嬉しかったのだが。

これで森内名人は二冠に復帰、羽生四冠は三冠に後退。
前にも書いた通り、羽生三冠は16日に名人戦挑戦者決定プレイオフがあり、21、22両日が王将戦七番勝負第七局である。
棋王戦が2勝2敗のタイにもつれていれば、18日が第五局の予定だったが、図らずもそれは回避されることになった訳である。結果は残念だが、体力的な面から考えると、少し余裕が持てる、ということも言えるだろう。しかし、やはりタイトルを一つ失った状態で大きな対局を2つ続けて戦うというのは、精神的にはダメージが大きい。

この第四局の立会いは、阿部八段。
今度の金曜日にはB級1組順位戦の最終局が戦われ、その結果如何では、彼にもA級昇級の可能性がある。
但し、阿部八段自身は抜け番(B1は13人で戦われるため、常に誰かが抜け番になる)で、同じ8勝で並ぶ中川七段に勝たれてしまうと、一歩及ばず・・・ということになる。
ところが、その中川七段の最終局の相手は、一足早く昇級(復帰)を決めている深浦八段である。深浦八段は既に9勝をあげており、順位も1位なので、ここで勝っても負けても来期の順位はA級9位で変化はない。だが、そういう一局にこそ、棋士生命を賭けるぐらいの気迫で臨むのが、プロ棋士のプロ棋士たる所以である。阿部八段としては、深浦八段のその心意気に望みを託するしかない。

大盤解説では地元・石川県小松市出身の橋本崇載五段と本田小百合女流二段。北國新聞のサイトに掲載されている写真を見ると、橋本五段の髪の毛は、野武士のような趣ではあるが、色は普通に黒い。これで着流し姿だったら結構サマになってるかも・・・という気はする。だが、やはり彼は目の覚めるような金髪とかのイメージが強いので、ちょっと拍子抜けかも(^_^;)
で、その橋本五段は今度の火曜日にC級2組順位戦最終局で昇級を賭けて木下浩一六段と戦う。3人の昇級枠を巡って、8勝1敗の安用寺五段、村山慈明四段、7勝2敗で安用寺五段より順位上位の阿久津五段、橋本五段、伊奈五段、佐藤和俊四段に昇級の可能性が残されている。昇級を争うライバル同士の対局はなく、それぞれが互いの進捗状況にも神経を払いながらの戦い、ということになる。橋本五段は他力だがキャンセル待ち一番手であり、安用寺、村山、阿久津のうち誰か一人が負けて、自分が勝てば昇級。安用寺五段の相手はベテラン西村一義九段、村山四段の相手は中堅どころの川上猛五段、阿久津五段の相手は西尾明四段。

本田女流二段も金曜日には女流名人位戦A級リーグの第一戦、石橋女流四段戦が控えている。こちらは開幕したばかりだから、まだ先は長いが、清水・中井の二強に加えて、千葉女流王将、石橋女流四段、斎田女流四段、さらには奨励会上がりの甲斐女流初段、岩根女流初段などが控えており、女流名人位戦A級リーグ史上最強と言えるメンバーが揃っているだけに、一局一局がシビレるような大勝負となるだろう。

・・・と、対局者だけでなく、周辺を固める棋士も、それぞれに大一番を控えた年度末、というところである。

2006 03 12 12:45 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.03.11

最年長昇級記録

森九段昇級ユーヴェvブレーメンのラストを見るかのような、あわやの逆転劇がそこにはあった・・・らしい。
内藤九段は詰みを逃し、杉本七段はチャンスを掴み損ね、最後に笑ったのは「終盤の魔術師」森けい二九段だった。
B2からB1への昇級では最年長記録更新、ということらしい(@o@)

大逆転昇級を決めた森九段の相手は屋敷九段。屋敷九段も状況的には「自分が勝って内藤九段、杉本七段が負ければ昇級」という、森九段と同じ立場だった訳で、これも大きな勝負だった。ちなみに最年長昇級記録は、森下九段の師匠である故・花村元司九段の60歳で、このときはB1からA級への昇級であった。

内藤九段を下した田中寅彦九段は、勝っても指し分けで、昇級にも降級点にも無関係な立場だが、ここで全力を出すのが、いわゆる「米長流」。しかし、本当なら詰みがある局面で、こともあろうに詰め将棋の大家・内藤九段がそれを見逃すとは・・・。今回内藤九段が昇級を果たしていれば、上述の花村九段の記録を大きく塗り替える最年長記録の誕生であっただけに、残念至極。
終盤、優勢になってから打ち上げのことなどが脳裏をよぎって、集中力を欠いた、と局後のインタビューで答えておられたようであるが、これほどの大ベテラン・大豪でも、順位戦で昇級のかかった一番というのは、異様な精神状態になられるのだろうなぁ・・・

転がってきたチャンスを掴み損ねてしまった杉本七段の相手は、既にC1への降級が決まっている(2度目の降級点)富岡八段。彼ほどの棋士がC1に落ちてしまうのもショックであるが、これがまた昇級候補を最後に食ってしまうところが勝負の厳しさ。杉本七段と言えば、朝日オープンで堀口七段と繰り広げた戦いが思い起こされる。また華やかな舞台での活躍が待たれる一人だ。

来期のB1へは10戦全勝の畠山鎮六段と7勝3敗の森九段が昇級する。畠山六段は、双子の畠山成幸七段に対して、B1への昇級では先んじた。36歳というのは決して若くはないが、来期のB1での活躍を期待したい。

気になるのは降級点をとった人たちだ。
2度目の降級点で、C1に降級してしまうのが前述の富岡八段、そして脇八段。A級も嘱望された二人が、来期はC1である。まだまだ老け込む歳ではないと思うのだが・・・
あと2人の降級点は土佐七段と神谷七段。これもまた共に実力者であるが、どうしちゃったんだろう・・・という感じ。しかし、それぐらい順位戦というのは厳しい世界なのだなぁ・・・

来期のB2には渡辺竜王と山﨑六段が昇級してくる。いきなりこの二人が昇級の最有力候補に挙がるだろう。
内藤九段や加藤九段、さらには田中九段、南九段、桐山九段らの「元A級(あるいは名人)」メンバーや、タイトル経験のある中村八段、屋敷「万年昇級候補」九段などの巻き返しがあるのかどうか、そのあたりも楽しみである。

2006 03 11 12:46 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.03.08

佐渡島の決戦へ

うわぁ・・・佐藤棋聖、3連敗後の3連勝ですか。すごいすごい。
将棋界では、史上2度目だとか。
そして、3連敗後4連勝は、前にも書いた通り、前例がない。
王将戦七番勝負第七局は、3月21、22の両日、佐渡島で戦われる。
その前に3月11日が棋王戦五番勝負第四局、3月16日が名人戦七番勝負挑戦者決定プレイオフ、もつれた場合は3月18日が棋王戦五番勝負第五局なので、羽生四冠にとっては重要な対局が目白押しである。

一方、C級1組順位戦の最終局も一斉に行われ、若手の有望株筆頭とも言える渡辺竜王が、B級2組への昇級を果たした。

ライバルの山﨑六段は一足早く昇級を決めており、最終局では、残る一つの昇級枠を巡って、渡辺竜王と岡崎六段が争う展開となったが、岡崎六段が中田功七段に敗れ、渡辺竜王も窪田五段に敗れるという波乱。最後は27手詰め(柿木将棋による)の長手数の即詰みに討ち取られた竜王、感想戦で「バッカすぎる・・・」と頭を抱え、うなだれるが、実はこの対局が終わる前に、既に岡崎六段が敗れており、渡辺竜王の昇級は決まっていたのだった。
山﨑六段は平藤六段に勝って、10戦全勝でフィニッシュ。これは立派。だけど、彼ならこれぐらいはやってもらわないと。

2006 03 08 01:34 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006.03.07

しかしタフな人たちだ

将棋界の一番長い日、と言えば、A級順位戦の最終局が行われる日のことである。
これが、つい先日、3月3日に戦われた。
いつもなら、BS2にかじりついているのだが、今年は仕事に追われてそれどころではなかった。
HD-DVDレコーダーも不調のまま放置状態なので、多分今年に入ってからは一度も触っていない。
そんな訳で、今年はこの恒例のイベントを観ることなく終わってしまった・・・

結果は既にご存知の通りで、名人戦七番勝負の挑戦者としては、羽生四冠と谷川九段が8勝1敗で並び、プレイオフが行われることになっている。
B級1組への陥落は、森下九段と鈴木八段に決まった。久保八段は首の皮一枚で残留を決める。

で、その羽生四冠であるが、こういう大勝負を戦った直後というのに、既に王将戦七番勝負の第六局を戦っている。
相手(挑戦者)の佐藤棋聖も同じくA級最終局で三浦八段を屠ったばかりである。
全く、精神的にも、体力的にも、タフでなければトッププロ棋士は勤まらない。

この王将戦七番勝負、出足でいきなり羽生王将が3連勝し、防衛まであと一勝としたのだが、そこから佐藤棋聖が粘って2連勝。将棋界では七番勝負において、3連敗後に4連勝して逆転したケースは皆無である(囲碁界にはある)が、今回はどうなるか。この第六局で佐藤棋聖が勝利を収めるようなことがあれば、結構注目が集まりそうな気配である。

羽生四冠は、王将戦と並行して、棋王戦五番勝負では森内名人を挑戦者に迎えて、1勝2敗と劣勢である。だがこちらは2連敗後に1勝を返しているから、王将戦とは反対の経過をたどっていることになる。
仮に順位戦のプレイオフで勝ったりすると、名人戦でもまた森内名人と顔を合わせることになる。全く、竜王戦を除くと、タイトル戦は羽生、森内、佐藤の3人だけで争われているような、そんな昨今である。

ということなので、ここは一つ、谷川先生、是非その一角に食い込んで下さい。頼みます!

2006 03 07 01:54 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.12.12

瀬川四段のデビュー戦

プロとしての初戦が、かつての同僚である清水上アマ竜王だった、というのは、妙に因縁めいて・・・というか、ちょっと「作りすぎ」の感も拭えないが、何にせよ瀬川四段は初陣を飾ることができた。
デビュー戦がこれだけ注目されたプロ棋士は、前代未聞なのではないだろうか。

ご本人の心の持ちようとは別に、連盟とメディアが束になって「遅れてきたプロ棋士」をプロモートしようという意図が、ありありとうかがえる昨今である。
米長永世棋聖が連盟会長に就任してから、次々とメディアにネタが提供され続けているあたり、連盟の(というか、米長センセイの)危機感が如実に表れているように感じられる。

ところで、今回のプロ編入試験については、将棋連盟がアンケートを実施していて、その結果が連盟公式サイトにアップされている(こちら(要Adobe Reader)
奨励会を一定年齢までに抜け出ないとプロにはなれない、という現状の制度に対しては、何らかの形で改革が必要ではないか、という意見が多いようであるが、実際のところ、どこに手をつけるべきなのか、については意見が分かれている。

しかし、重要なことは、10日間で1205通の回答が集まった、という事実。
特に派手な広報をした訳ではないにも関わらず、これだけの回答を集めることができたのは、確実に連盟のメディア戦略が奏功し始めていることの表れなのかも知れない。
無論、1205通ではまだまだ少ない、という見方もあるだろうし、私も統計的なことを考えるなら、心もとない数字だなぁとは思う。とは言え、これまでの地味な将棋界を思えば、これは大健闘と言えるのだろう。

問題は、こういう話題だけがメディアを賑わせて、実際に戦われる将棋の内容そのものがあまり取り沙汰されていない点なのかも知れない。「瀬川」「編入試験」「コンピュータ将棋」などのキーワードがメディアに躍ることはあっても、そこに「ゴキゲン中飛車」や「横歩取り8五飛戦法」、「後手一手損角換わり」などの戦法について言及されたものは皆無と言ってよいだろう。また、現実に棋界をリードする強豪プロの姿も殆ど見えてこない。出てくるとすれば、せいぜい羽生四冠ぐらいで、現在誰が名人なのか、なんてことが話題になることはまずないのである。そしてタイトル戦のような大きな勝負が戦われていても、一般メディアの関心は極めて低い。

話題作り、メディアへの仕掛けは十分効果的ながら、次は将棋そのものの魅力を、いかに伝えていくのか、そのあたりが来年以降に持ち越された宿題ということになるのではないだろうか。

2005 12 12 11:44 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.11.06

瀬川さん、プロに!

あちこちで書かれているだろうから簡単に。
61年ぶりの快挙は文句なく素晴らしい。
そして、外でメシを食ってきた瀬川さんが、ともすれば閉鎖的になりがちな将棋界に、新たな風を送り込んでくれることを望む。

61年前にプロ編入を果たした故・花村元司九段は、現在とは全く制度が異なる中での編入だったこともあり、いきなり五段でプロ編入している。タイトルこそ獲得できなかったが、タイトル挑戦は4回(名人1、九段2、王位1)、棋戦優勝3回を数えるなど、プロでも実力をいかんなく発揮した。弟子には森下卓九段がいることでも知られる。
瀬川さんにとっては、偉大な大先達というところだろう。

本日付でプロ四段となった瀬川さんだが、奨励会三段リーグを勝ち抜いての昇段ではないので、フリークラスへの編入となる。
フリークラス棋士には、その「成り方」によっていくつかのタイプに分類される。

A.自らフリークラス宣言した棋士
B.順位戦C級2組で降級点を3回とった棋士
C.奨励会三段リーグで次点を2回とった棋士で、フリークラス編入を希望した棋士

瀬川さんの場合は上のいずれにも該当しないが、タイプ的にはCに類するだろう。
Aのタイプのフリークラス棋士は、順位戦を指すことはできないし、復帰することもできない。引退しない限り、他の棋戦には参加することができる。
BとCのタイプのフリークラス棋士は、順位戦を指すことができないが、一定の成績をあげれば復帰(参加)できる。

その「一定の成績」とは以下のようなものだ。

1.年間対局の成績で、「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、なおかつ勝率6割以上。
2.良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上
3.年間対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。ただし、同じ棋戦で同一年度に2度(当期と次期)対局のある場合も1棋戦として数える。
4.全棋士参加棋戦優勝、タイトル戦(朝日オープン将棋選手権含む)挑戦。

逆に、10年の間にこれら「一定の成績」を収められなかったら、フリークラス棋士は強制的に引退させられてしまう。
晴れてプロ棋士に編入された瀬川さんだが、今度はこの「10年間」という時間との戦いを意識していかねばならない。もちろん、「一定の成績」をクリアして順位戦に参戦することができるようになったら、その後は「昇級か降級か」を意識していかねばならない、ということも当然のことである。つまり、プロになれたからと言って、これで一安心という訳ではない、ということである。まぁどんな世界でもそうだけど。

だが、今はともかく、おめでとうございます(^_^)

2005 11 06 10:40 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.11.04

大一番を制したのは

この顔合わせは是非A級で見たいものなのだが、何しろ今はまだC級1組。
にも関わらず、関係者筋には絶大なる注目を集めた、というのが、山﨑隆之NHK杯(六段)-渡辺明竜王が激突したC1順位戦である。

注目度が高いのは、もちろん二人の成績が抜群であるから、でもあるし、それぞれに話題を集める棋士でもあるからである。
加えて、今期の順位戦では両者ともにここまで5戦全勝。C1ながら、「全勝の頂上対決」という趣なのであった。
毎日インタラクティブでのライブ中継も行われていた(仕事なもんで、見れなかったけど(T_T))

対局は11月2日、大阪・福島の関西将棋会館御上段の間にて。
先手は山﨑六段で、戦型は後手一手損角換わり。先日の竜王戦七番勝負第一局で、木村七段に対して渡辺竜王が「公式戦では初めて採用した」戦法であるから、これが「公式戦で二度目の採用」ということになるのだろう。それを誘うかのように2筋の歩を突いて出た山崎六段もなかなかの度胸の持ち主と言えるだろう。

さらに山﨑六段は右玉、渡辺竜王は穴熊へと組み、先手が猛攻をかけるも、竜王が柔軟な受けを見せて、中盤では竜王がペースをつかむ。しかし、山﨑もしぶとく食い下がり、局面は混戦模様、4筋に駒柱ができそうになったりするが、夕休をはさんで山﨑が局面を好転させ、22:39、125手で先手・山﨑六段が勝利を収めた。
これで山﨑は順位戦6戦全勝、さらに公式戦10連勝と絶好調。敗れた渡辺竜王は5勝1敗となり、4番手に後退。
それにしてもこの二人がC1にいるのは、やはり納得いかん(笑)

大一番と言えば、プロ編入をかけた瀬川さんの第5戦、高野六段戦も間近に迫ってきた。
こちらも大注目の一戦である。

2005 11 04 11:51 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.10.27

惜敗と惨敗の狭間

面白いやつだ、ということで少し気にかけている木村七段であるが、竜王戦七番勝負第一局では惜しくも勝利を逃した。
BS2の夕方の中継が始まった時点では、解説の山﨑NHK杯が「挑戦者有利」と断言したにも関わらず、そこから形勢を損ねた。

投了図を見る限り、超どシロートの目で見ても大差、である。
どこがどう転がってこうなったのやら、とは思うが、そのきっかけとなったのは、BS中継の最後の方で指された渡辺竜王の6四角である。
7筋に転回した挑戦者の飛車の頭にポン、と叩かれた7五歩。同飛と払って、そのこめかみに突きつけるように放たれた6四角は、極めて狙いがわかりやすいが、その効果も絶大なものだった・・・ということのようだ。
指されてみると、何ということのない、明快・簡明な一手なのだが、BS解説陣(藤井九段、淡路九段、山﨑NHK杯ら)の誰もがあまり深く読んでいなかったところを見ると、プロにとっては盲点に入りやすい手なのかも知れない。7五歩の時点でも「おや?」という感じだったのが、今振り返ってみるとなかなか面白い光景であった。

最終的には9筋に竜を回った手が敗着となったようだが、既に一分将棋となっていた木村七段にとっては、優勢だった局面から勝ちに導けなかった時点で、もはやいかんともしがたし、の思いだったのかも知れない。それはまさに、21歳にして棋界の一翼を担う渡辺竜王の勝負術に、注文通りはまってしまった・・・というのが、偽らざるところである。

惜しいところまで行ったが、若き竜王が繰り出す様々な技や罠(持ち時間の使い方もその一つであろう)を慎重にかいくぐっていかない限り、この投了図が示すように、思わぬ大差での決着となりかねない。
このところ勝負所での粗さが目立つ挑戦者だけに、この敗戦をむしろ転回点とし、これまでとはまた違う強さを身につけ、結果にも示してもらいたいものである。

ということで、千葉の皆さん、残念でしたね(^_^;)

2005 10 27 11:34 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.10.02

届かなかった名人の牙城

涼子奥様が見守る中で、決死の攻めを敢行した千葉五段であったが、森内名人の精確な受けの前に、一歩及ばず・・・という感じの惜敗。
しかし、四間飛車対居飛車の戦いとしては、かなりの手将棋模様で、見所の多い好局であったように思う。

NHK杯戦で名人と、新人王戦決勝では渡辺竜王と戦うこの秋、千葉五段にとっては飛躍のチャンスとなるかも知れない。
名人には一歩及ばなかったが、新人王戦には大いに期待したい(^_^)

2005 10 02 11:50 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.09.26

十七番勝負の裏で

羽生-森内、そして羽生-佐藤。
棋界の主役が頂上決戦に鎬を削っている間隙を縫って、竜王戦の大舞台に、実に興味深い男が立つことになった。
木村一基、32歳。通算勝率7割2分1厘(9月22日現在)
四段昇段してから今年が9年目だが、これまでに勝率一位を2度、最多勝利、最多対局も1度輝いている。
彼にしてみれば(そして彼に期待する向きからも)、遅すぎるタイトル戦への登場と言えよう。

羽生に1手トン死を食らわしてタイトル挑戦にあと1勝と迫った4年前の同じ竜王戦挑戦者決定三番勝負、結局その後連敗を喫して長蛇を逸した記憶が蘇るような、どうしようもなくよれよれの展開ながら、粘る三浦をねじふせて、ついに初のタイトル戦登場と相成った。

プロ棋士なのだから、当然誰でも人並み外れて個性的なのであるが、そんな中でも彼の個性は際立っている。テレビ時代に「映える棋士」の一人でもあるだろう。
その彼が、ウェットティシュで目元を何度となく拭う姿は印象的であった。

待ち受けるのは「4人目の中学生棋士」であり、ポスト羽生世代の最先端をひた走る渡辺明、21歳。
21歳の頃、木村はまだ奨励会でもがいていたことを思えば、渡辺は早熟の天才であり、エリート中のエリートと言えよう。
だが、通算成績だけ見れば、渡辺7割4厘に対して、木村7割2分1厘と木村が上回る。
もっとも、通算で7割を超えていること自体が、すでにして驚異的な成績なのではあるが(1000局以上指して7割3分という羽生は別格としても、森内名人ですら6割6分8厘である。200局以上指して7割を超えているのは、他には深浦八段ぐらいのものなのである)
つまり、この二人の番勝負というのは、類稀なる高勝率男同士の戦いでもあるのだ。

そして渡辺竜王にとっては、初のタイトル防衛戦である。
その前に三番勝負が戦われる新人王戦を含め、この秋から冬にかけて、渡辺にはハードなスケジュールが続いていくが、棋界の第一人者を目指すには、このハードスケジュールも乗り越えねばならない。

注目の七番勝負第一局は10月25、26の両日、福島県会津若松市の「今昔亭」で戦われる。

2005 09 26 11:46 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.26

将棋観戦な一日

休みなのでどこかに出かける、何かをする・・・というのがなかなか大儀で、家にいて一日ゴロゴロしていることが多い最近だが、それにもまして、録りためたプログラムが多すぎて、それらを追いかけるのが精一杯、というのも、なかなか外に出かけられない一因ではある。

本日は午前中、NHK杯を観戦。島八段-千葉五段戦。

島八段はいわゆる「55年組」の一人、そして初代竜王、美人の嫁さんがいて、最近将棋連盟の理事になったナイスガイである。同い年ということもあるが、彼にはもうひと頑張りしてもらいたいと思う。統計的手法を駆使した有力戦法に関する理論書の労作はあるが、「研究家」であると共に、「棋士」としてもまだまだ上を目指せる実力者だと思っている。

対する千葉五段は、言うまでもなくNHK杯戦の司会を務める千葉涼子女流王将のパートナーである。居飛車党の奥方と振り飛車党のダンナ、という組み合わせだが、互いに影響を与え合っているのか、二人とも最近調子がよい・・・のではないか?

解説は藤井九段。残念ながら持久戦模様、オーソドックスな振り飛車対居飛車穴熊の戦いとなり、藤井システムは見られなかったが、女流王将の愛の念力と、振り飛車党の現総裁・藤井九段の威光が後押しし、千葉五段が勝利を収めた。終わったのが11:58頃で、感想戦が観れなかったのが少々残念。しかし、2回戦でまた千葉五段の姿が観れるのは楽しみである(相手が森内名人であるが)

午後は名人戦七番勝負第七局を通して観る。こちらの聞き手も千葉女流王将。解説が久保八段。
途中、女流王将が伊豆の踊り子に扮するシーンなどもあって、緊迫感が漂う大勝負の中、空気が和む。
しかし、二日目午後、佐藤棋聖がゲスト参加して、佐藤・久保のA級同士での解説となった中に、女流王将が混ざり、そこから先は女流王将がすっかりペースを掴む。棋聖も八段もタジタジである。「強い」というだけでなく、タイトルを獲って自信にもつながっているのだろう。また、それを彼女独特の飾らない言葉で表現するので、会場が笑いに包まれる。

副立会の鈴木八段はやや挑戦者乗りの解説になったが、実際は二日目を通して名人が戦機を捉え、じわじわと優位を拡大し、磐石の態勢を築いて挑戦者をねじ伏せた、という印象が強い。当然羽生四冠は最強とも言える粘りで食い下がるから、それを見ると「すわ、逆転か?!」とも感じるのだが、実際には森内名人の「想定の範囲」の中で戦いは繰り広げられた、というところだろうか。終局後の両対局者、特に羽生四冠の感想を読む限りではそんな感じが強い。

対局翌日の囲碁将棋ジャーナルでは谷川九段がゲストで、九段も二日目夕方には現地入りしていたことがわかったが、残念ながらテレビに登場する場面はなかった。夕休以降に到着されたのかも知れない。谷川・佐藤コンビでの解説も観たかったような気が・・・

2005 06 26 09:27 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.24

高密度シリーズの終わりに

共に最高の実力者同士がぶつかるのだから、最高度の戦いが展開されるのは当たり前・・・と言いたいところだが、両者共に好調を2ヵ月半にわたって維持し、その持てる力を全て出し切って戦う、というのは、本当に困難極まりないことだし、それを観ることができる我々は、類稀なる僥倖に恵まれているのだ、と思わねばならない。

第63期名人戦七番勝負第七局は、改めて振り歩先となり、森内名人が先手となった。
名人が選んだのは矢倉戦。力を出し切れずに屈した第六局の悔いを断つ意味でも、連続して矢倉戦を挑んだ名人には、並々ならぬ気迫というものを感じさせられた。

まだ帰宅して結果を見たばかりで、どういう戦いが繰り広げられたのかはわからない。
最後の局面は、名人、四冠ともに、護衛が乏しく、相手の飛車の睨みを受けるような位置関係。
だが、5四の金を始めとして、名人の駒が要所で実に利いている感じがする。
109手目、3四の玉の鼻先に打たれた歩を見て、22時ちょうど、四冠は頭を垂れた(のだろうと思う)
森内名人、初のタイトル防衛成功、そして羽生四冠の「十八世永世名人」の座はお預けとなった。

七番勝負を振り返ると、確かに一方的な勝負もあったし、必ずしも全ての指し手が最高度に研ぎ澄まされたものだった、という訳ではないのだと思う。
しかし、第二局での4八金など、棋史に残るような素晴らしい手も生まれ、なべて見れば、近年稀に見る高密度、高濃度、高レベルなタイトル戦であったと思う。
今はただ、この激闘を戦った二人に、お疲れ様と言いたい。

関連記事:名人戦:森内が初防衛 羽生「十八世」ならず

2005 06 24 11:34 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.15

勝負は最終局へ

相矢倉の戦いとなった名人戦第六局、森内名人の攻撃を巧みに受けた羽生四冠が勝利を収め、これで3勝3敗の五分となった。

前局に続いて、国会中継のあおりを受けて、なかなか放送時間もとれない中、今回の解説役、山﨑NHK杯はなかなか健闘していたように思う。山田「おねえさま」久美女流三段とのやりとりもいい感じである。
しかし、「女流棋士界のファッションリーダー」であった久美ちゃんも、もう間もなく大台(どの大台なのかは敢えて秘す)。相変わらず若々しいけれど、山﨑NHK杯と並ぶと、いかにも「おねえさま」という感じで、これもまぁ悪くない(なんのこっちゃ)

最終・第七局は静岡県河津町にて、6月23,24の両日にわたって行われる。
名人初防衛か、十八世永世名人誕生か、大注目の一局である。

2005 06 15 11:54 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.12

将棋界の話題4つ

1.千葉女流三段、女流王将戦五番勝負で3連勝、初のタイトル獲得!

これはやはりダンナの存在が大きい、ということと、NHK杯戦の司会を務めるようになって、ますます実力に磨きがかけられた、ということがあるのでは、と思う。
そのNHK杯戦で、前期、前々期と、涼子ちゃんの目の前で男性棋士を次々に破ってきた中井女流王将が相手だった訳だが、今期はひろべえがやや不調だったことにも救われたか?
しかし、和服のひろべえは美しいですな(^_^)
・・・というのはともかくとして、涼子ちゃん、おめでとうございます(^_^)

2.加藤九段、銀河戦で「待った」

日本将棋連盟HPより

NHKの朝のニュースでいきなりそんな話題が出てきたので驚いた。
実は、スカパーには加入しているが、「囲碁将棋チャンネル」は少々高いので契約していないのである。だから銀河戦も観たことがない。だから、瀬川さんの活躍なんかも観ていないのだが、それはそれとして、この銀河戦で加藤一二三九段が、一旦桂を不成で指し、指が完全に駒から離れた後で、成りにした(駒をひっくり返した)というのである。う~む、確かにそれはプロ、というか、公式戦では反則なんだなぁ・・・
現役棋士の中では、最古参となってしまった加藤九段だが、これで来期の銀河戦はサスペンション(笑)、そして罰金も科せられるという。
米長永世棋聖が日本将棋連盟会長に就任した途端にこういう「事件」が起きてしまうと、どうもやはりこの二人の確執というのは根深いのかしらん・・・などと邪推してしまったりもして(^_^;)(そう言えば、武者野先生が米長先生を訴えた、という話はその後どうなったのかしらん・・・)

それにしても、NHKは困りましたな。将棋講座の講師は今、加藤九段だし、あろうことか、今日に限ってはその後のNHK杯戦の解説者まで加藤九段である。収録の関係で、「処分」との時系列の関係がよくわからないが、どうも「間(まん)が悪い」という感じがする・・・

3.棋聖戦は羽生四冠が先勝

佐藤康光棋聖に羽生善治四冠が挑戦する棋聖戦五番勝負第一局は、先手の羽生四冠が勝利。
昼の「囲碁将棋ジャーナル」で昼食休憩時点での局面が紹介されていたが、先手が歩をぶっつけたのに対して、後手の佐藤棋聖はひるまずに桂を跳ねていく、という強気の応酬。
その後、どういう展開を経て決着がついたのかは、来週の「囲碁将棋ジャーナル」にて(^_^;)
「週刊将棋」にも間に合うかな。土曜日だったら・・・いや、ギリギリかな。

4.谷川九段、15人目の「神戸大使」に就任

毎日新聞神戸版の記事より
日本将棋連盟HPより
最近、少しだけ調子が上向き加減の谷川浩司九段であるが、本職とは別に、出身地の神戸市から、このような役目を委嘱された模様。
谷川先生と神戸市(あるいは兵庫県)というと、これまでにも

1983年9月 神戸市文化特別賞
1988年  神戸市特別表彰
1989年  神戸市政功労者表彰
1992年  神戸市特別表彰
1997年6月 兵庫県「誉」賞
1997年6月 神戸文化栄誉賞

という感じで密接な関わりがあった訳だが、今また新たな名誉が加わった、ということですね(^_^)
がんばってちょ、谷川センセ!

2005 06 12 03:24 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.05

ゆうべエントリーするはずだったのは

確か、「地域面」のデザインを変えたで、という話と、中座五段の見事な指し回し、という話であった。
モブログからアップしようとしたのは、江坂「OLD BAR」の夏のカクテルについての話であった。
別にやくたいもない話、というほどでもないか。
悔しいので、昨日の日付にしてエントリーしてみる(笑)

これをエントリーしてみて驚いたのだが、ゆうべエントリーしようともがいていたものが、突然復活してしまったのである。
こうなってしまうと、順番が全くもってあべこべで、このエントリーから読まれた方には、何のことやらさっぱりわからん、ということになってしまいかねない。まぁ、もとよりワケのわからんことを書き散らしているだけだが。
一応、書かれた順番は、「地域面のデザインを」が先で、次が「20週ぶりの」、そしてその次がこの「ゆうべエントリーするはずだったのは」となっている。とは言え、別に順番通り読む必要は全くないなぁ、と我ながら思う(笑)

さて折角なので、復活しなかったエントリーから、中座五段の話。
これは日曜日に放映されたNHK杯戦での、対屋敷九段戦での戦いぶりが見事だったなぁ、というようなことであった。あいにく仕事だったので録画したものを観たのだが、「元祖・横歩取り8五飛車戦法」たる中座五段が、装いも新たな、鋭い攻めを見せて、最近では粘りが身上である屋敷九段を圧倒し続け、殆ど完封勝利を収めてしまった、というものであった。ここまでキレイに攻めがハマってしまうと、さすがに研究領域か、とも思うが、それにしたってホレボレするような手の連発で、解説の中川七段も感嘆していた。
中座五段、この8五飛のおかげで升田幸三賞にも選ばれたことがあるのだが、実はNHK杯本戦トーナメントには初出場なのだそうだ。これは少々意外な感じ。

一方、かつて「オバケ屋敷」「忍者屋敷」と称され、十代にしてタイトル獲得の輝かしい戦歴を持つ屋敷九段であるが、この一局に関しては、中座流をまともに食らっていい所なし。それでも最後は薄気味悪い手も随所に散りばめ、即詰みになるまで粘ったあたりはさすが。テレビ将棋の場合は、プロらしく「棋譜を汚さない」ことよりも、頭金を打たれるまで頑張ってみる、という方が、あまり将棋に詳しくない視聴者にもわかりやすい、という側面があるので、本当ならとっくに投げていたかも知れない将棋だが、最後まで指した、というところかも知れない。

2005 06 05 11:40 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.04

優先順位

ジロ・ディタリアの放送はプロ野球中継の影響で時間がズレ込む恐れがある。
従って、ジロ直後にある番組を録画予約するのは避けなければならない。
つまり、エンタープライズの初回放送は録画できない。

エンタープライズの2回目の放送は土曜の朝である。
この時間帯は、ちょうどジロの再放送と重なっている。
つまり、ジロは初回放送で録画しないといけない。

金曜のジロの初回放送時間帯には、ちょうど「FOOT! viernes」の初回放送がカブっている。
仕方がないので、「FOOT! viernes」も2回目の放送を録画しなければならない。
これが土曜の午前1時からである。
ついでに、その直前には名人戦第五局のハイライトがあったりもする。
もう、分刻みの録画スケジュールだ。

というわけで・・・

別にバーレーン戦がどうでもいいと思っている訳ではないのです。
ただ、そのね、優先順位というやつがね、だからね・・・
いや、小野の骨折が三味線だなんて、言ってませんから。は? 誰もそんなこと聞いてないって?
しかし、こんなのフットボールの世界ではありがちな話でしょ。

というか、今季のフットボールは先週の木曜日にハッピーエンドを迎えたのだがな。

2005 06 04 01:06 AM [Cycle, Football, StarTrek, 将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.06.03

名人戦のさなかに

第63期名人戦七番勝負第五局が指されているのと並行して、来期の名人戦挑戦者を決めるA級順位戦もスタートしている。
開幕の一局は久保八段vs森下九段。
つい先ほど終局を迎えたようだ。

開幕戦は久保八段の勝利。森下九段はA級復帰後の一番を白星で飾ることができなかった。
今期は理事にも選ばれ、公務も多忙が予想されるが、まだまだタイトルも狙える人だと思うし、頑張ってほしいところだ。
一方、前期は惜しいところで名人挑戦権を逃した久保八段。今年でA級3期目になるが、そろそろ何か大きなタイトルが欲しいところ。

ところで七番勝負の方は相横歩取りから、互いの飛車・角を取り合う激しい展開。何だか一手の重みが凄い、何とも厳しい戦型になっているような・・・

2005 06 03 12:29 AM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005.05.24

森内名人3連勝!

87手目、7九角までで羽生四冠投了。
これで森内名人が3連勝、七番勝負を3勝1敗とし、名人防衛にあと1勝とした。

BSの解説で立会いの青野九段と小林九段が、「これをやるようだと勝負が早くなる。形がハッキリして先手にはありがたい。だから羽生さんはこうはやらないでしょう」と言っていた6五金と8三桂だが、羽生四冠はそれを指して、やっぱり簡単に負けてしまった。

投了図を見ると、一見攻めているのは羽生四冠だが、攻めている金と桂馬はすぐに取られるし、それで攻めが途切れると、あとは駒損も大きいし、最後まで左辺の金銀が全く働かずじまい。森内名人が突然精神に異常を来たすとか、体調を崩すとか、そういうことがない限り、逆転はない格好である。
まぁ「こうはやらないでしょう」という手も、形作りのためには辛うじて役に立ったというところである。

2005 05 24 08:40 PM [将棋] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

森内、優勢から

勝勢へ・・・っ